2007年8月アーカイブ

ほら

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トイレの窓の外の畑の、キュウリだろうか、色があまりに鮮明だったので、腰を抱き窓から外が見える高さまで持ち上げた。

坂道

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それまで長い間、樹々の中をくぐり抜けるような木漏れ日の地面を見て歩いていたので、足下に差し込む陽射しの形が徐々に割れるように広がり、胸元から足の間をすり抜けるような風塊を受けて、顎を上げると、まだ登り始めていない坂道の手前であったのに、辿り着いた安堵がまず先に湧いた。
振り返ると、枝の隙間より、青く霞んだ平野が、海原のようにゆっくりとうねっているのが臨めた。シャツは肩口から脇にかけて濡れていたが、途中から様子の変わった大気に、汗はとうに引いていた。たかが歩く事が、人生に響くような年齢になってしまったと、侘しいような笑いが口元に現れたが、坂の上には待ち人がまだ居るような青い動悸を隠せずに、慌てたような足取りで坂を駆け上がった。

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