窓を通して

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窓を通して部屋の中に見知らぬ女が見えた。
何気ない一瞥が歩みに上手く乗って流れた小さな眺めだったが、部屋の奥の扉の向こうにあるキチンに、陽光の射し込む流しの前に立つ、視線を手元に落としたままの、微動だに動かぬ後ろ姿は、柔らかい動きに包まれて静止していた。
動かずにいるのに動くとは不思議なものだと、その時は思った。
角を曲がって、よく知った店先の鮮明な花々の色彩が眩しすぎるなと、強い香りを色と取り違えてから振り返り、先ほどの女に仕合せな家族が寄り添っていようと、愛らしい子供にかまけていようと構わない。恋をはじめなければいけない女の肩へ向けて重怠い歩みを返した。

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このページは、picturemusicが2007年10月 1日 14:23に書いたブログ記事です。

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