Posted on 16th July 2010No Responses
端正というつまらなさ

「太子を見奉るに形–なる事限りなし/今昔 」「端整」
姿・形や動作などが正しくてきちんとしていること。また、そのさま。「―な字」
(端整)顔だちなどが美しく整っていること。また、そのさま。「―な目鼻立ち」
どうも現在は、「端正」という響きは、少々上品な物言いに偏っているようだから、やや道徳的、倫理的な含みがある。平常のあるがままの率直さを示すには無理がある。
正しいという自覚が所作の器にすっぽりと収まるこのきちんとした姿勢は、時に憧れるけれども、然しややもすると、ひどくつまらない。時差によるスノッブな先鋭への遅れに対する皮肉を打ち消す意思が込めらる気配が濃厚で、逆にその恣意が後ろめたく滲み易い。
美と簡単に繋げるこの姿勢は、故に、美しさというものの脆弱を同じように示す。
破綻と当惑と足掻きが面白ければよいかというと、それも違う。
つまり「事実」が、これを絶えず更新して、新しいというわけか。

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